コンサルタントとして現場の潤滑環境を視察する際には、まず初めにサイトグラスを探すようにしている。サイトグラスという仕掛けは、機械の部品に接近してチェックする日常点検時に、多くの情報を提供してくれる。サンプ・油溜めに十分なオイルがあるかを確認するため、という単純な理由以上に、サイトグラスによる状態監視は大きな意味があるものだ。
一般に、サイトグラスには二種類ある。円柱タイプのサイトグラスは、油浴潤滑部品に付帯しており、多くがドレン口側にある。透明な素材(ガラス、アクリル、その他の樹脂素材)でできたシリンダーを有し、機械内のオイルレベルの増減に伴って、上下する。もう一つは、いわゆる“蛇の目”タイプのサイトグラスだ。やはり透明な素材でできているが、機械の稼働中に維持すべきオイルレベル部にねじ込むタイプである。
長所と短所
それぞれのサイトグラスには、強みと弱みがある。
円柱タイプは、オイル容量を観るのに優れているが、サンプの低い位置にパイプを通しているため、油量が低いときでもオイルは目視できる。作業者は、適切なオイルレベルを掌握し、透明部分にマークしておく必要がある。
円柱タイプを配管するとき、サンプの油量を適正に示すための形状であることを確認すべし。例えば雁首形・S字に曲がったもの、またはオイルの経路を妨げない配管でないことを確認しなければならない。サイトグラスが外部に取り付けられるという条件のため、この種のゲージにはさらにいくつかの制約が生じる。また、完全に密閉せず「呼吸させる」必要がある。実際、某メーカーはサイトグラス上にブリーザーをセットしている。可能であれば、サイトグラスの頂部をリザーバーのヘッドスペースにまで引き回すか、頂部に乾燥剤入りブリーザーを置くのがベストだ。 汚染物質の侵入防止にもなる。
円柱タイプのさらなる欠点は、リザーバー内の泡立ちや空気混入問題に対する観察に弱いことだ。レベルゲージのオイルはリザーバーの底部から来ているため、空気の侵入が徐々に泡の兆候変化するプロセスを把握するのは難しい。
それに対し、蛇の目タイプはオイルレベルにセットされているため、泡の兆候は容易に掌握できる。オイルレベルの確認も適正に行える。何が起きているかを直接観察するには最適だ。
一つの欠点は、このサイトグラス越しにオイルの色を正しく判断するのが難しいことだ。もし、極めて清浄で汚れが全くない理想的なサイトグラスであるなら、いかなる暗色化や濁りの進行も見ることができるだろう。
NoriaのMachinery Lubricationが最近実施したアンケートによると、現場の作業者の56%が円柱タイプのサイトグラスを使用しているようだ。
情報の窓を活用しよう
サイトグラスを設置して、現場を歩くだけではもちろんNG。観察してこそ意味がある。サイトグラスは、オイルに何が起こっているかを作業者に知らせる窓であり、起こり得る問題を察知する目撃情報を与えてくれる。水汚染、酸化、油量不足は、これらの付帯部品を適切に活用することで得られる迅速な診断を可能にする。サイトグラスを適切に活用すれば、オイルと機械を健全に保つことができ、現場の懸念を軽減することもできるのだ。
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