フィルターエレメントのつぶれ圧は、JIS B 8356-3/ISO 2941で定義されています。つぶれ圧とは、フィルターエレメントの物理的なつぶれや変形による破損圧力を意味するものではなく、異物を除去するメディア(ろ材)に機能不良が発生する差圧を意味します。通称、メディアコラプス(メディアのつぶれ)とも言われています。 試験フィルターの回路に試験ダストを懸濁した油を連続的に投入すると、フィルターの差圧はゆっくり上昇後、徐々に差圧の上昇率を上げてゆきます。その上昇率が低下する圧力をコラプス圧と定義しています。
フィルターエレメント(以下、エレメント)のつぶれ圧力について、この名称から誤解しているケースが多く見受けられるので正しい定義を説明します。
つぶれ圧力はJIS B 8356-3/ISO 2941に定められています。一定の割合で混入する試験ダストによってエレメントの差圧は上昇します。差圧の上昇速度(上昇率)は最初遅いですが、エレメントの目詰まりが進むに従い、上昇率(差圧と試験ダストの積算量又は時間の比)は徐徐に上昇します。試験ダストの積算混入量(試験時間)が増加するほど上昇率は大きくなります。この上昇率が最初に小さくなるときの差圧をつぶれ圧力と定義しています。エレメントの構造体の変形による破損ではありません。
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(続く)
執筆:伊澤一康