このセミナーは、機械の状態監視や保全において、機械潤滑分野の現場で仕事をしている専門職にある方が、以下の業務を行なう力量を養う目的で設計されています。潤滑管理の目的やその効果を学ぶ上で、最も基本的かつ広範な知識を習得して頂きます。
以下のようなテーマに沿って進められていきます。
本セミナーの受講対象者は、潤滑専門士、PM担当者、機械修理工、機械工などの職位にあり、機械・設備と日常的に接し、機械潤滑プロセスに直接関与している方々となります。
I. メンテナンス・ストラテジー
A. なぜ機械が故障するのか
B. 企業収益に関わる未熟なメンテナンスの影響
C. 故障を回避する効果的な潤滑の役割
II. 潤滑の理論
A. トライボロジーの基礎
B. 潤滑剤の機能
C. 流体潤滑(すべり摩擦)
D. 弾性流体潤滑(転がり摩擦)
E. 混合潤滑
III. 潤滑剤
A. 基油
B. 添加剤とその機能
C. 潤滑油の物理的・化学的・機能的な特性と分類
D. グリース潤滑
1. グリースの製造法
2. 増ちょう剤の種類
3. 増ちょう剤の適合性
4. グリースの物理的・化学的・機能的な特性と分類
IV. 潤滑剤の選定
A. 粘度選定
B. 基油の種類の選定
C. 添加剤系の選定
D. 機械固有の潤滑剤の選定
1. 油圧システム
2. 転がり軸受
3. ジャーナル軸受
4. レシプロエンジン
5. ギヤとギヤボックス
E. 潤滑剤の適用と環境への適合
V. 給油・給脂
A. 潤滑剤の適用量を求める基本計算
B. 補充や交換頻度を求める基本計算
C. オイル選定の時期・グリース選定の時期
D. 手差し給油の効果的な活用
E. 自動給油脂システム
1. 自動給油脂の選択肢
a. 自動給脂装置
b. オイルミストシステム
c. 滴下灯心給油システム
2. 自動給油脂装置を使うべき時
3. 自動給油脂装置のメンテナンス
VI. 予防保全および予知保全
A. 潤滑剤の経路と計画
B. オイル分析と潤滑効果を保障する技術
C. 装置へのタグ添付と識別
VII. 潤滑剤の状態管理
A. ろ過および分離技術
B. フィルタの定格化
C. ろ過システムの設計とフィルタ選定
VIII. 潤滑剤の貯蔵と管理
A. 潤滑剤の受け入れ手順
B. 適正な保管と在庫管理
C. 潤滑剤保管容器
D. グリースガン・他の給油脂器具の適切な保管
E. 自動給油脂装置のメンテナンス
F. 安全衛生の確保
本セミナー修了の方には、機械潤滑専門士(Machine Lubrication Technician)「MLT」の受検資格があります。試験問題は全て日本語に翻訳されています。 潤滑管理に関する基本的なトレーニングは、特殊領域での活動を支援し、危機的な状況に応酬する初期対応の技術基盤を作ります。そして、認証された資格は、技術者が仕事に対応するスキルを証明する重要な一翼を担います。トレーニングと資格の融合は、知識に富んだ価値のあるスタッフの育成に不可欠です。
ICML(International Council for Machinery Lubrication)検定試験は、機械の潤滑に関わる問題解決と信頼性保全を目的とし、潤滑技術・オイル分析専門士の適性を検定します。ICML認定証は、機械潤滑技術・オイル分析のプロであることを明示するものです。2008年10月に成立したISO18436-4「現場の潤滑剤分析士」のガイドラインに準拠した資格認定を実施しています。