質問:鉄粉濃度分析は状態監視に有効です。どんな情報が得られますか?
▼油中の5μm以上の鉄や鋼などの強磁性粒子の密集度の情報によって、差し迫った機械故障の警報が得られる。
質問:全損式の潤滑システム・給油法を3つ以上挙げてみてください。
▼オイルミスト式、滴下式、灯心式、グリースガン、スプレー式、手差しなど
質問:潤滑油を循環させるのは、集中潤滑システムと全損システム、どちらですか?
▼
どちらも循環させない。
質問: 現状より安価なオイルを導入することになった時、考慮すべき点は何でしょうか?
▼
•輸送経費も含めて安価であるか。
•精製が不十分である疑いはないか。
•添加剤は適正に調合されているか。
•現状の使用油との添加剤の適合性は問題ないか。
質問: 熱が起こす何によってオイルの粘度増加につながりますか?
▼蒸発損失の発生、酸化の促進
質問: どんな兆候から、不適切なグリースを混合した際の不適合を認識しますか?
▼二つのグリースを混合すると、ちょう度が元のグリースよりはるかに柔らかくなることから、大半の不適合が判明します。
質問: 給油・給脂を手動で実行する際の弱点を挙げるとしたら?
▼過剰給油・給脂により生じる漏れ、やっつけ仕事などが起きやすい。機械を停止する必要も度々生じる。結果として生産ロスにつながる。
質問: 潤滑剤に関係した健康被害について複数挙げて下さい。
▼毒性による影響、皮膚炎、皮膚癌、微生物汚染からの感染症ほか
質問: 塩基価は、オイルが古くなるにつれ上がりますか?下がりますか?
▼下がる。
質問: 機械が故障する根本原因は? 三つ以上挙げてみましょう。
▼摩耗、流体の汚染/温度/物理的安定性/化学的安定性、潤滑表面の歪み/調整不良 など
質問: 潤滑油の精製過程で使用される設備の名称は?
▼真空蒸留塔
質問: ISO粘度グレードの定義においてISOVG320に続くグレードは?
▼ISO VG 460
質問: 油溜め、リザーバー、タンクのドレンからオイルを放出する際に、実施すべき検査は?
▼底に沈殿した塵埃やスラッジの検査
質問: ハイポイドギヤは通常、API GL-5に準拠した特殊な潤滑剤を使用しますが、その理由は?
▼ハイポイドギヤは他のギヤと異なり、境界潤滑領域における半径方向および横方向に滑る組み合わせ動作で稼働しており、ウォームギヤと似ています。
GL-5は、過酷な負荷条件向きかつ軸変位の大きいハイポイドギヤ専用に設計されたギヤ油です。
質問: 鉱油系潤滑油に勝る合成油の利点を複数挙げるとしたら?
▼高温安定性、低温流動性、高粘度指数、蒸発損失が低い、など。
質問: 適合性のない二つのグリースを混ぜると何が起こりますか?
▼ちょう度が下がる、あるいは上がる。典型的には「下がる」。
質問: 粘度計測には多くの測定法があります。主要な技術を挙げてみましょう。
▼動粘度、レッドウッド粘度、セイボルトユニバーサル粘度(SUS)、セイボルトフロール秒試験、エンジャー粘度など
質問: かみ合ったギヤに対し、効果的な潤滑が難しい理由は?
▼転がり摩擦とすべり摩擦が一挙にかみ合い部分に生じ、さらに高荷重かつ低速状態であることから、摩耗を減らすための特別な添加剤を要することによる。
質問: 合成油を使用することによるデメリットを二つ挙げるとしたら?
▼コスト(一般に鉱油よりも4~10倍程度高価)
シール、ホース、塗装材、他の潤滑剤との適合性の問題がある
質問: 酸化したオイルが機械にもたらす結果は?
▼腐食摩耗、ワニスやスラッジに起因するオイルフローの減速、フィルターの詰まり、温度上昇やフロー減速に起因する粘度の上昇など。
質問: すべり軸受の潤滑に影響する機械的要素を複数挙げるとしたら?
▼直径に対する長さの比、クリアランス、表面仕上げ状態、油溝、軸受の材質
質問: 粘度損失の原因を挙げるとしたら?
▼エンジン油の希釈、低粘度オイルの補給、粘度指数向上剤の永久せん断など。
質問: 固有粘度指数が高いのは、パラフィン系鉱油とナフテン系鉱油、どちらでしょう?
▼パラフィン系鉱油の方がナフテン系鉱油より固有粘度指数が高い。
質問: 現場で使用されている油種を減らすと得られる“3つのメリット”とは?
▼
1. 購買や貯蔵の問題を減らすことができる。
2. 油種統合し種類を減らすことで、大量購買となり、相対的にコストが安くなる。
3. 給油脂間違いのリスクが減る。
質問: フィルターはミクロン基準で評価されます。
人が目で判別できるのは何ミクロンまででしょうか?
▼40~45ミクロンとされている。
質問: 摩擦の三つの形態とは?
▼すべり摩擦、転がり摩擦、混合摩擦
質問: 油圧作動油中の極微小な気泡や蒸気泡に起因する摩耗の名称は?
▼キャビテーション摩耗
質問: 平軸受の材料の要求特性を二つ挙げるとしたら?
▼かじり耐性となじみ性
質問: 分光分析によって判別可能な摩耗粉の元素のうち、ごく一般的なものを5つ挙げて下さい。
▼鉄、銅、鉛、すず、アルミニウム。
質問: 分子が大きい/重いオイルの粘度は高いでしょうか、低いでしょうか?
▼高粘度。
質問: ケイ素(Si)がサンプル油中から発見されました。発生源は?
▼ケイ素は、あわ消し剤(メチルシリコーン)として使用されることが多いため、新油のケイ素量から差し引いた量を検証します。砂や塵埃による汚染物質も発生源です。
質問: ポリウレアグリースの一般的な用途は?
▼電気モーター軸受など
質問: オイル分析ラボにサンプルを送る際、添えるべき情報は?
▼機械の識別番号、サンプリング箇所、採取日時、稼働状況、サンプリング間隔(時間)、最終更油日、補給油の量、最終フィルター交換日、最終補修(メンテナンス)日、など
質問: 大型の粒子は、常に微粒子よりも摩耗の原因になる。正しいですか?
▼間違いです。
質問: 転がり接触から摩耗に至る一般的な形態は?
▼接触疲労、表面疲労。
質問: 粒子を自動で数える二つの主要な方法は?
▼光の透過を粒子が妨げることを利用した“減光式”パーティクル・カウンター、そして、フィルターの目詰まりを利用した“ふるい式(ポアブロック式)”パーティクル・カウンター。
質問: 非鉱油系オイル(合成油)を鉱油に優先して使用する理由を二つ挙げるとしたら?
▼耐熱性と耐火性(難燃性)が求められる時に使用する。
質問:リザーバーのオイルを冷やすため、蓋を開けたままにしても大丈夫でしょうか?
▼間違った判断です。汚染物質の侵入口となってしまいます。
質問:オイルサンプルの分析の精度に影響する外部要因は?
▼サンプル容器の清浄度、清浄度の低いサンプリング機器、停止した機器設備からのサンプリング、サンプリング箇所の変動、不十分なフラッシング、オイル交換後のサンプリング、一貫性のないサンプリング手順、など
質問:ISO清浄度コードの判定基準に使われる3つの粒子サイズは?
▼4ミクロン、6ミクロン、14ミクロン
質問:潤滑機器や系統中に存在する主要な固体汚染物質の種類は?
▼摩耗粉、劣化油からの生成物、燃焼による生成物(すす)、外部から侵入した塵埃や異物
質問:非開放型ギヤ油を選定する際に考慮すべき要素は?
▼ギヤの種類、回転速度、減速比、伝達力、稼働温度、荷重特性、駆動タイプ、適用法
質問:水の侵入によって発生する劣化のうち、加水分解は、どんな合成油に起こり得るでしょう。
▼リン酸エステル、ポリオールエステル、二塩基酸エステルなどのエステル系合成油
質問:現場で貯蔵できるグリースの有効期限は?
▼1年を超えたグリースは、使用前に性状を試験すること、というのが一般的な目安。感度が高いものについては、半年を超えたら実施すること。
質問:酸化したオイルが機械の信頼性に及ぼす影響としては、どのようなものがありますか?
▼腐食摩耗、ワニス・スラッジ発生によるオイルの滞留、フィルターの詰まり、粘度上昇に伴う昇温やオイルフローの悪化など。
質問:グリース性状において、酸化安定性が極めて重要な理由は?
▼グリースは循環しない上、潤滑箇所の熱を伝搬させることもできないため
質問:摩耗粉分析と振動解析が相関しているメンテナンスは、プロアクティブ(原因除去型)
保全か、予知保全か?
▼予知保全
質問:遠心分離機の活用で除去が期待できる汚染物質の種類は?
▼水、スラッジ、塵埃、沈殿物、摩耗粉
質問:錆の抑制が主要な機能である添加剤の名前は?
▼錆止め剤、あるいは防錆剤
質問:油圧ポンプから、甲高い唸り音やガタガタ音が聞こえてきました。
何が起きていると思われますか?
▼キャビテーションを疑う。原因として、オイルへの空気/湿分の混入や、吸込口の不適切な加圧が考えられる。
質問:ギヤボックスの歯の破損を検知するオイルの状態としては、どのようなものがありますか?
▼該当するものはありません。この状態は、通常、オイルに関連していません。
質問:転がり軸受の扱いで5つの「べからず」を挙げるとしたら?
▼汚れた環境で扱わない、汚れた道具を使わない、汚れた/濡れた手で扱わない、圧縮空気で回さない、密閉保存されていないグリースを使わない、新規軸受からグリースを排出しない、など。
質問:VHVIやUHVIは、潤滑油関連の略語としてよく使われています。どんな意味でしょうか?
▼VHVI = 高粘度指数。通常130近傍を指します。
▼UHVI = 超高粘度指数。通常150近傍を指します。
質問:油中のカーボンが増加傾向になると要注意な用途は?
▼レシプロコンプレッサー、抄紙機、機械表面が高温の用途
質問:多くの機器設備製造元が、グリース再給脂量を「××ショット分」などと明記しています。
1ショットとは、どれくらいの量ですか?
▼1ショットとは通常、レバー型グリースガンの1ストロークとして知られています。2~3グラムであることが多いようですが、グリースガンの種類によって異なりますので、ご自身で較正するようにしましょう。